続 生きる日記

風の吹くまま気の向くまま何となく綴りますよ

『破門 ふたりのヤクビョーガミ』

『破門 ふたりのヤクビョーガミ』
2017/日本
監督・共同脚本/小林聖太郎
脚本/真辺克彦、小嶋健作
原作/黒川博行
出演/佐々木蔵之介横山裕北川景子、茺田崇裕、矢本悠馬、橋本マナミ、中村ゆり橋爪功、木下ほうか、キムラ緑子、宇崎竜童、國村隼

2017年11本目。
やっと『破門』にたどり着きました。鑑賞後1ヵ月以上が経過しましたが、改めて感想を。

まず単純に面白かった。
そう思えて、本当に良かったです。もう本当に良かったです。
何しろキャストのみなさまが揃いも揃っていい顔してますもんね。
配役のバランスとか見事だと思います。また、橋本マナミさん以外がほぼ関西のご出身ということもあり、作品全体を通してのトーンが安定しており、違和感なく観ることができました。
関西映画?という一種のジャンルムービーは、ほかにもたくさんあるとは思いますが、こんな感じのかるーい雰囲気の、男がたくさん出る映画を定期的に観たいなぁと思いました。
本作は続編もできそうですが、ここはあえての1本勝負がいいのか?!
とはいえこのコンビを含むエトセトラをまた観たいと思わせる終わり方でした。

佐々木蔵之介さん演じる桑原。もともと佐々木さんてキレたら何しでかすかわからない危ない雰囲気をもってるので、本作での桑原は、マジで関わりたくないオーラが全開しつつも、憎めない可愛らしさもあって、とても魅力的に描かれていました。というのも、彼の持つ独特の感性が影響していたと思われるのですが。
私のお気に入りは、マカオに旅立つ時のファッション(紋付?をリメイクしたアロハっていうのかしら?)。あれは最高でした。さらには、猪木ばりの真紅のストールとか。男のそういうこだわりを大事にしてるところ好きです。
かたやの二宮。
最初役所を聞いたときは、カタカナ職業だから、スーツで決めてるのかと思ったら、まさかの普通。というか地味すぎる。
エイトの横山さんを見る目で見なくて済んで、よかったなと。
あ、うだつあがんない感じか。
建設コンサルタントって、どんな仕事よと思ったら、パンフによると、原作の黒川さんが勝手に考えた架空の職業だそうです。
が、いかにもありそうだし、で、無意味に建設現場を見にいきたくなりました。
そういえば、二宮だけ食べてるシーンが多かったような。
おかんがダイナミックに肉を焼くすき焼きがとても美味しそうでした。パンフによると、緑子さんの作り方が雑だったので、國村さんが指導したそうなんですが、ということは、最初はもっと激しかったのね(笑)。あのシーンはとても良かったです。
なんだかんだで、食いっぱぐれはしないタイプの二宮。金銭感覚も割と普通だったし、身の丈はわきまえてる感じ。マカオのホテルでの入浴のシーンは彼なりの贅沢だったのかなと思うとなんだか微笑ましいような。

そもそも事の発端が「映画」だったことにおや?と思いましたが、
桑原、二宮、詐欺師の小清水が、3人とも映画好きだったんですね。(そういえば、ライアン・ゴズリングラッセル・クロウの『ナイスガイズ』も映画がらみのバディもの。)
故に、小清水もそんなに憎めないというか。こずるすぎるけど。
というか、小清水のおっさんは本当に体張っててすごいなと思いました。橋爪功さんをあそこまで、痛めつけるってなかなかないでしょ(笑)。死んでもおかしくないのに。小清水フォーエバー。

エストの茺田くん(ヤクザ映画好き?)もひとりクローズこと矢本悠馬くんもナイス舎弟っぷりで、ホントいい仕事してました。
今治での決闘シーンがよかった。大人がマジで走ってる。
大声出してる。
みんな必死。
町に人っ子ひとりいない(笑)。

そして、エンドロールに流れる『なぐりガキBEAT』と作品のリンクがまたよい!
昨今、映画の内容と全然合わないビジネス臭のするタイアップって腐るほどあると思うんですが、、、攻撃的ですみません!
エイター以外の観客からしたら今回もそうじゃないの?と思われるかもしれませんが。

“怖気づいて隠してた度胸 ここでひとつ見せてみろ”
と歌う横山さんにグッとくるのです。
二宮が車のハンドルを切って桑原を助けに行くシーンが思い浮かんで。

RUN & RUN & RUN

間違いなく軽やかな気持ちになって観終わったという、実に爽やかな映画。

誰にでもおすすめできるんじゃないかな?

小林監督の今後の作品にも期待しております!