続 生きる日記

風の吹くまま気の向くまま何となく綴りますよ

『街の上で』を観た

今泉力哉監督作を大変楽しみにしておりました。
『あの頃』は見逃してしまった為、『mellow』以来の。
で、最近購入したZEUSのアルバム曲に参加している入江陽さんが音楽を担当していると知り、より興味が増したのであります。

下北沢といえば、曽我部?違うか。いや違わないか。
本多劇場大人計画の舞台を観たのは10年以上も前か?忘れた。
それっきりです。
たった1回訪れた街の印象は、こじんまりしてて同じ人と何度もすれ違いそうだなというもの。
駅前も随分変わったと聞きますが、さて。
映画は2019年に撮影されたとのことで、工事をしてる現場の様子も映し出されており、2021年現在、街は更に変化をとげているのでしょうか。

本作は、古着屋で働く主人公・荒川青と彼を取り巻く人々のおはなし。
仕事終わりは誰が目当てとかではなくふらーっとライブに行ったり(「1番お洒落なヤツな」と言わしめる)、行きつけの古本屋や飲食店では世間話もできる関係性を築いている青くんは、それなりに平穏な日々を過ごしているかのように見えた。
彼女にふられるまでは。
とはいえですよ、古着屋の店員(雇われ店長っぽいが)といえば、そりゃぁちゃんと認識されてるよねーという。接客というよりはずっと本読んでるし(スマホ触ってる人よりは本読んでる人の方が多分モテるは偏見でしょうか?)。わかりやすいイケてる見た目ではないもののそこは下北沢。
青を演じる若葉竜也さん(若い頃の中村俊輔選手似)がやけに色っぽいので、あ やっぱりモテるはずよねと納得させられるわけです。
青は認識していなかったっぽいが、客だという美大生から卒業制作の映画に出演してほしいといわれたら「もうそれは告白」(と言わしめる)。。。
そっからの青の巻き込まれ方がコント。いや、前兆はあった。そもそも話しかけられやすいのだろうな。
んで。ちゃんと聞くしね。
青の「えっ?」「えっ?!」は大倉さん以来のヒットですよホント。
1回受けてからの問い直し「じょうじょういは?」は、アレ我が弟の「ペプチカ?」を彷彿とさせる魔球でありました。
なので、なんというか、わたしの思い出とか、記憶とかを刺激してくる物語だったのですね。
こんな気持ちあったなぁ学生の頃。とか、あの美容師さんはどうしてるかなとか。あのお店はまだやってるのかなとか。
最近他人と会話してないなぁとか。
無視するよりは関わった方が面倒なことも多いけど面白いことがおきるもんだとか。
こういうことを繰り返していくのが人生なのよね。
衣食住のみならず、音楽や映画や本や漫画やあらゆる文化を内包する街。
小沢健二の『強い気持ち強い愛』の一節「街は深く僕らを抱くー」が思い起こされました。

入江陽さんの音楽は、ぽわーんほわーんの中に幸せがそっと浮かんでいるような優しさがあって、大丈夫と言われてるような。
“誰も見ることや気づくことはないが確かに存在していた”
いや、やっぱり誰か気づいてるはず
って思わせるような。
入江陽さんのお名前しかとインプット

俳優役の成田凌さんのセリフに「映画に大きいも小さいもないでしょう」というのがありましたが、本当にそうだと信じたい!
ハリウッドも好きだけど、日本映画も最高です。
すごいぞ若手俳優陣。

2回観て気づいた
ライブハウスで弾き語っているミュージシャンが
♪エンドロールに名前がなくても
と歌っている

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