1月のある日、意を決して。
前日から調子を整えて。
フレデリック・ワイズマン監督 91歳(撮影当時は88歳)
イーストウッドといい
世間は彼らを休ませてはくれない
ボストン市庁舎の舞台裏を描くドキュメンタリー。ナレーションはなし。
4時間32分。
これは意を決します。
市庁舎にかかってくるさまざまな問い合わせに対応する職員の様子が最初と最後に映し出され、あーこれは大変。。。電話対応する身としてはわかるわかるとうなずくのであります。
今日も今日とて問題や困りごとは発生する。
ボストン市長は、わたしに電話をかけてください、見かけたら呼び止めて声をかけてください という
とにかく、話してくださいと
市民のための扉は開いている
われわれは市民を助けるために仕事をしていると
そうか
そうなのか
言われてみて改めて
そうなんだ!と驚いた。
そこまではっきりとしたことばを聞いたことがなかった気がして。
ボストン市民のみなさんは幸せですか?
だといいなぁ。
さて、わたしの住んでる地域はどうだろう
雨降りのあと目の前の道路の水捌けが悪いのは気になってるけど‥。
これは市役所へ言うべきことなのか さえわからない
とはいえ、特に不満はない
それはわたしに切羽詰まった困り事がないからだろう
自分に発生しないとその困難や苦労の本質はわからない
けれど、想像することを放棄してはいけない
公務員と言われている方の多くは志をもって仕事をされていると思うし、
そのおかけで我々の生活が機能しているわけで、本当にありがたいと思っている。
しかし、意外と実体はわからない。
ここ最近は投票所としての利用しかないし。
知らないだけで、色んなサービスがあるはずなのよ。
我々はもっと自治体を頼っていいんだと思ったし、いい関係を築かないでどうする?大きな意味で我々はチームではないのか。
本作を観て、一連のやりとりが普通に面白いということに驚いたのです。
つまりは人と人なのよというシンプルさ。
なんとかして互いをわかり合おうという努力とプロセス。しかも上下ではなくフラットな関係を保ちながら。
時間がかかるのは当たり前。
願わくば、公務員、いやすべての政治家が観るべき作品だと思う。とくに
きくちから
とおっしゃってる方には。
とはいえ、公務員云々ではなく、仕事に対する姿勢や人間関係、ひとびとの暮らしを映している作品なので、結局は誰しもが観るとはっとして、我が身を振り返ることになるのは間違いないのであります。