続 生きる日記

風の吹くまま気の向くまま何となく綴りますよ

『PERFECT DAYS』を観た

いい顔のおやじに入るのかしら?

役所広司さん。

顔力ありまくりです。

西川美和監督作の『すばらしき世界』の三上さんにしか見えないのですがー。

なので平山という名前が瞬時に出てきません。

それほど三上さんは強烈でした。

 

今度の三上さん、いや、役所さんはトイレの清掃員。

日々のルーティンをたんたんと映し出す姿は意外や意外飽きないもので。

口数も少なく穏やかに見える平山さんですが、ところどころに荒々しさが見え隠れして、三上さん出た!とほくそ笑んでおりました。

物も少なく一見丁寧な暮らしを営んでいるような平山さん。

ネットとはほぼ無縁。テレビはなくラジオ。本とカセットがきれいに並べられていて、その他は必要なモノが1こづつ。

まぁミニマリストです。

と思いきや、姪っ子の急な訪問時の自身の寝床が段ボールだらけの部屋だったので、あぁだよね。だよね。本当はそうで、平山自身もシンプルに憧れてる人なんだよねとか思ったり。

そんなミニマリストの平山さんですが、押入れにはたくさんの写真が。

写真を入れてるアルミっぽい缶は全部同じで。あれは一体どこで手に入れるのか?まさかその為に煎餅買って食べてる?写真は一応選抜はしているが月単位でどさっと入れているっぽい。あとで見直したりするのかな?しなさそうだな。

仕事の休憩時間に優しいお顔で木漏れ日を撮っているのですが、清掃服の胸ポッケにカメラはなんとなく良くないのではないか。怪しまれるのではないかと心配になりました。

平山さんの行動はなかなか目が離せないのであります。

写真現像取次店での紙幣の扱いはすごく気になりました。わたしそれ苦手なタイプです。そういう扱いをするに至った理由がきっとあるのでしょう。

店主はなんと柴田元幸さんだったという(笑)。ベンダース監督と親交があっても不思議ではない。

 

平山さんの背景を色々と想像してみる。かつては裕福な暮らしをしていたようだし。

70年代の音楽に造詣が深い平山さん、家業を継ぐ気もなく自由を求めて海外にでも行ったのかな?そこでなんかあったのかな。前科者なのか?やはり三上さんではないか。

姪っ子のニコ。名付け親は平山ではないか?

妹が持ってきた「好きだったでしょ」の袋の中身はチョコレートかな?

飲んでる缶コーヒーはBOSSに決まってるか。

 

私にとってルー・リードの「Perfect Days」は『トレインスポッティング』のイメージが大きい。なんかもうどうにでもなれ。

カーステから流れるこの曲を聴いている平山さんの表情が七変化で大変見応えがある。

※この曲ではなかったです。

正しくはニーナ・シモン「feeling Good」でした。失礼しました。※2024.1.20修正

肯定されているような。

見放されているような。

それでも構わない。

日々は移ろう。

ベンダースが撮るTOKYOはとても小さくて箱庭のようでした。

あの光の美しさはなんなんだろう。

どうやったら撮れるのだろう。

トイレはキレイなとこばっかりだったけど、実際はひどい状態もたくさんあるよね。

ホームレスの田中泯さんのスタイリングがカッコいいのは伊賀兄故か。

 

最後に、後ろの席の2人組の女性の声がちょいちょい聞こえてきたのがいいアクセントになったことを付け加えておきます。

平山さんが迷子になった子どもの手をとって親御さんを探しているシーンにて。

その子の母親の態度を見てのひとこと。

それ、観てる全員が思った感想!

映画が終わった後に「不思議な映画だったね〜」。それもな!

賞を取るって大事だなと改めて思いましたよ。

ぜひぜひ劇場でのご鑑賞をおすすめします。